障害とつきあう

コミックエッセイ「精神科ナースになったわけ」を読んでみました

偏見や誤解の多い精神科医療の分野で、新人ナースとして看護師になった女性の周りに起こった出来事をコミックエッセイとして描いた一冊です。私は患者として精神科病院に入院経験がありますが、お世話になったナースって実はこんな事を考えていたんだと、目からうろこが落ちる感覚を覚えました。精神科病院について知りたい人、特にうつ病や統合失調症の当事者で通院していたり、入院を検討している人やその家族に読んで欲しい一冊です。

献身的なだけでは務まらない、精神科ナースのお仕事

主人公の女性は普通のOLだったのですが、母親の死をきっかけにして精神科に興味を持つようになります。その後OLはやめて看護学校で学び精神科に入職します。

この本で描かれている精神科病院は、私が実際に入院していた病院とあまり変わらない病院像でした。広くて、畑があって作業療法室やデイケア室がある。また、開放病棟と閉鎖病棟が混在している、ごくありふれた精神科病院が舞台です。

精神科病院に入院している人って、基本的にはすごく大人しい人ばかりなんですよね。大人しいというか、テンションがすごく低いといいますか。この本でも「超だるい日曜の午後in家」という言葉で表現されています。

本の中では、いろいろな症状をもった患者さんが登場します。特に印象に残ったのは、「脳みそがでちゃうかもしれないから、一年中帽子をかぶったままの女性」です。

脳みそがでちゃう、なんて普通は考えられないですよね。でも、統合失調症の患者ってそういう妄想の世界が現実で真実だから、肯定も否定もしないというのが、ナースやドクターのセオリーとなっています。

私も統合失調症の急性期には、いろいろな妄想に苦しみました。今にして思うと、本当に笑っちゃうような内容なので具体的に書くことはここでは控えますが(笑)よくもまぁあんな事を考える事ができたよなぁ、あのころの自分は想像力豊かだったなぁと自分でも感心してしまいます。

さきほど書いた「脳みそがでちゃう女性」は、主人公がいろいろ工夫することで、頭をシャワーで洗えるようになるくらいには回復します。どのようにしてそこまで至ることができたのか、本の中ではちゃんと描かれているので、気になる人はぜひ本を買って読んでくださいね。

他にもリストカットの止まらない女性、不幸にも自殺してしまった男性の話など、フィクションなんだけど、精神科病院で実際にありそうなエピソードがたんたんと描かれています。

「個性」、あえてこういう言い方をしますが、この本では様々な個性をもった患者と、彼ら彼女らを看護するナースの奮闘する姿がリアリティをもって描かれています。そこには献身的なだけではない、時には患者をつきはなしたり、様々な患者の個性に応じて、頭をフル活動させて看護するナースの姿が描かれており、本当に大変なお仕事なんだなぁと、当事者としてつくづくそう思いました。

まとめ

この本の内容はフィクションかもしれませんが、実際の精神科病院で繰り広げられているようなエピソードが豊富に紹介されています。だからと言って、別に精神科医療の誤解や偏見をなくそう、みたいな説教臭い話は一切ありません。

「あー、こんなこと、あるある」

といった感じに淡々を読み進めることができる1冊です。患者に対する対応の場面では、一般的な精神病の本よりも一歩踏み込んで描かれているので、この本で描かれている患者さんと同じような症状を持つ当事者さんには、何かしら役に立つエピソードもあるかもしれません。コミックだしフィクションかもしれませんが、結構しっかりしている内容だと感じました。軽い気持ちで手に取って欲しい1冊です。

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フリーランスのライター&Webクリエイター 2018年4月に開業したばっかりの新米フリーランス。 立命館大学に入学したのち、23歳の時に統合失調症だと診断される。その後はネットゲームにハマったり、趣味でブログを運営したりしながらダラダラ過ごす。30歳になってから便利屋さんに就職するが倒産。そしてWeb制作のお仕事を5年ほどやり、2018年4月より個人事業主となり独立。
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